不正咬合の予防
こんにちは!
よっかいち矯正歯科医院 院長 秦 佑樹です!
今日は不正咬合の予防についてお話ししたいと思います。不正咬合は様々な原因が複雑に組み合わさって引き起こされるため、確実な不正咬合の予防ということは難しくなります。しかし、因果関係が明らかな不正咬合については、その原因の除去によって不正の発現を予防することができます。
☆乳歯列期の不正咬合の予防
・咬みあわせのズレ
乳歯列は乳切歯歯冠が小さいことや歯の傾斜が少ないことから、前歯の噛み合わせが浅いことが多いです。咬みあわせが浅いがゆえに、前歯や犬歯で干渉があると顎のズレが起こり、反対咬合や奥歯の交叉咬合を引き起こすことがあります。その場合、咬合干渉をしている乳歯に咬み合わせ調整を行うことによりズレを修正する必要があります。場合によっては矯正装置を使用し、下顎の位置を正しい位置に誘導してあげる必要があります。
・歯列の保隙
むし歯や外傷など、なんらかの理由で乳歯が早期に脱落した場合に隣接する歯がその隙間に傾いてくることがあります。それにより歯列の乱れが起こることになります。そのため、隣在歯との隙間を確保しておくために保隙装置という装置を装着し、歯列の乱れを予防します。
・乳臼歯の前後的関係
乳臼歯(奥歯の乳歯)が正常な咬みあわせと比較し、上顎が前にあれば将来的に上顎前突になりやすいですし、下顎が前にあれば下顎前突になる可能性は大きいです。この咬みあわせの判断基準をターミナルプレーンと言います。
・口腔習癖
お口のよくない癖によって、唇や頬の筋肉より異常な力が歯列に加わると、切歯、臼歯の被蓋に関連した交叉咬合や開咬などの不正咬合を引き起こす可能性があります。口腔習癖が必ずしも不正咬合を発現させるとは限らないが、頑固で長時間持続するものは不正咬合の原因となるため、正す必要があります。
☆混合歯列期の不正咬合の予防
・過剰歯
過剰歯とは、通常の歯の数よりも多く存在する歯のことです。過剰歯が存在すると、本来並ばなくてはいけない必要な歯のはえる隙間が不足することや、はえてくる永久歯の萌出方向の邪魔をすることがあります。不要と判断された過剰歯は早期に抜去あるいは摘出することが望ましいです。また抜歯後の隙間を閉じるために歯の移動が必要となることがあります。
・歯の大きさ、形態の異常
歯の大きさが通常よりも大きいと、歯と歯を配列する顎の骨の大きさの不調和が起こり、良好な位置に歯が並びきらないことになります。萌出歯が大きい場合は叢生、小さい場合は空隙歯列を引き起こすので、将来の永久歯歯列のかみ合わせを予測しながら対応することが重要になります。
・上唇小帯、頬小帯の発育異常
過剰に発育した上唇小帯や頬小帯は、その部位の乳歯が歯間離開を起こしていることが多いです。永久歯の生えかわりを待っても隙間が閉じない場合には小帯の切除を必要とすることがあります。
・口腔周囲の軟組織の機能異常
乳歯から永久歯への交換の際には咬合接触が一時的になくなるので、萌出中の永久歯は口腔周囲の軟組織の機能の影響をうけやすいです。口呼吸などの口腔周囲軟組織に関わる異常な習癖は早期に改善する必要があります。このような場合に筋機能療法(MFT)を適応することも不正咬合の予防に繋がります。
このように不正咬合になりえる原因を早期に予防することで、永久歯の歯並びの不正を防ぐこともできます。ご自身での判断が難しいこともありますので、疑問に思われたら専門歯科医院にてご相談下さい。
四日市の矯正専門歯科医院
よっかいち矯正歯科医院/
Yokkaichi orthodontic studio
秦 佑樹